新型コロナウイルスの影響で、新たな販路として通信販売をはじめたいと考え、
国からの無担保借入を利用した経営者の方は多くいらっしゃることと思います。そこで、今回は通信販売の業務についての基本を説明いたします。

通信販売を行う場合の業務内容としては、一般的に以下の3つが挙げられます。

  • 受注業務
  • 発送業務
  • 集客(広告や宣伝など)

他にも顧客対応などがありますが、まず上記の3つがあれば、通販業態を始めることができます。次のトピックでは、ひとつずつ上記の3つについて説明していきます。

受注業務


受注業務には注文の受付・データ入力・伝票発行・支払い・入金等、受注と一口にいっても内容は多岐にわたります。 

受注業務の手法

受注方法は分類すると下記の3つです。

①電話による受注

自社またはコールセンターで受注を行います。
この際、コール時のトークスクリプト(会話の定型文)を作る必要があります。注文内容はもちろん、何を見て注文してきたのか、さらにお客様の悩みを聞いたり、アップセルやクロスセルなど顧客単価を上げることなど、ただ注文を受けるだけでなく、その背景や先を見据えた動きもできるのが特徴です。集客段階では伝えきれない情報やお客様の声など様々な情報をやり取りできます。

※アップセル・クロスセルとは…
より高額なモデルの商品を勧める手法がアップセル、セットとして関連商品を勧める手法がクロスセルです。アップセルもクロスセルも、商品を検討中の顧客や既存顧客(以前商品を購入したことがある)に対して行われる営業手法で、顧客単価を上げることを目的としています。

②WEBによる受注

WEB上ではメールでの受注やフォームなどシステム(カートやLINEなどのSNS)などでの受注があります。WEBによる受注は、データ入力や伝票発行を同時にできる点、クレジットカード情報を社内に持たないでいいなど様々なメリットもあります。

③その他の手法

郵送・FAX・店頭などによる受注が挙げられます。5年ほど前であれば、シニアへの受注で最も多かった方法が郵送による受注でした。現状では電話での受注のほうが多くなっておりますが、受注フローとして一応、開設しているという会社も少なくありません。

受注後の業務

問い合わせや返品・交換受付、クレーム対応

問い合わせや返品・交換受付、クレーム対応などがあります。受注の方法は通販の形態によって異なりますが、電話注文やメール注文、ネット注文などあらゆる注文に対応します。注文の状況や決済方法、在庫の確認、送り状の発行などは在庫管理システムと連携してスムーズな処理プロセスを構築しているところがほとんどです。

決済業務

決済業務では、商品の受け渡し時に支払いをする代引きが一般的です。ただし、顧客側の未払いや返品、いたずらなどでコストが発生することも多くなっています。代引き以外の決済方法として、クレジットカード払い、前振込払い、後振込払いなどに加え、電子決済、キャリア決済など様々あります。

発送業務

発送業務の中には入荷管理・在庫管理・発送手配(ピッキングと流通加工
)などがあります。
通販では、実店舗での買い物と違い、お客様と実際に対面することが難しいです。利用したユーザーに好印象をもってもらい、リピーターになってもらえるよう、商品を取り出しやすい梱包を心がけたり、段ボールを開けやすいものに工夫したりする場合もあります。

入荷管理、在庫管理

納品もしくは、製造された商品そのものや数量をチェックし、問題ないか確認し管理するのが入荷管理です。
アウトソーシングする場合は、倉庫によっては、ハンディターミナルとバーコード検品システムを用いてヒューマンエラーや誤出荷を防いでいるところもあります。食品や化粧品など使用期限があれば、その内容も管理する必要があります。

発送手配(ピッキングと流通加工、梱包)

在庫から注文された必要数のみを取り出す作業です。 初回に発送するツールなどや商品の説明書、次回以降のキャンペーンなどその人(発送)にあった商品をピッキングします。
商品によっては不要なものもありますが、ピッキングとセットで流通加工もおこなわれます。流通加工には、ラベルや値札貼り、組み立て、箱詰めなどがあります。その上で、商品を安全に消費者の元へ発送するために緩衝材や水濡れ防止としてビニール袋をかけられることもあります。

発送

在庫を確認し検品、梱包を終えると、やっと発送の工程に移ることができます。配送業者の集荷に回され、消費者の元へ届けられます。

集客(広告や宣伝など)

最後に、重要なのものが集客です。
実店舗やポップアップ店舗など実際にお店がある場合はオープンすることで、お店自体が広告になっている場合も多く、追加で費用のかかる宣伝を利用しないこともあります。ただし、通販においては、広告や宣伝は必須です。
消費者にとって、認知すらできていない場所で知らない商品を購入することはほとんどありません。集客を構造に分けると以下の3つが挙げられます。

  1. デザインを作る
  2. プロモーションを行う
  3. 他の人に紹介してもらう

①デザインを作る

WEBであればホームページを作成したり、新聞の広告であれば原稿を準備するなどです。店舗がないため、制作物がそのブランドやショップのイメージを左右することになりますので、かなり重要な部分といえます。

②プロモーションを行う

PRで雑誌に取り上げてもらうやテレビCM、新聞広告、ラジオCM、WEB広告など様々な手法で、消費者にブランドや商品の存在を知ってもらいます。

③他の人に紹介してもらう

@cosmeや価格.comなど口コミの専用サイトではなく、個人のSNSアカウントの投稿やブログなどでの投稿など様々な紹介方法があります。

お金をかけずに展開することもできますが、かなりのリソースを割くことが多く、大半は通販ははじめたけれど売上がないというような状況に陥ってしまいます。もちろん、費用をかけるとリスクも多くなりますが、商売として展開するためには少なからず、集客に人的・費用的なリソースをかける必要があります。

まとめ

通信販売を行う場合の業務内容は受注業務と発送業務と集客(広告や宣伝など)に大きく分けられます。アウトソーシングで自社内で完結していない会社も多いです。
第一エージェンシーでは、立ち上げ段階ではWEB中心で動くことをおすすめしており、できるだけリスクを抑えながら実施できるプランもご用意できます。

もし、広告の展開や仕組みづくりのご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。