2022年3月に開局したBS新3チャンネル。BS松竹東急、BSJapanext、BSよしもと。3局とも、それぞれの母体企業を生かした、個性的な番組が編成されている。

BS松竹東急

BS松竹東急は「伝統から革新まですべてを見せる映画」、「誰もが楽しめて親しみやすい歌舞伎や劇場文化」、「多彩な作り手とコラボレーションする挑戦的なオリジナルドラマ」の3つを編成コンセプトとし、その他にもバラエティ、スポーツ、ドキュメンタリーなど、様々なジャンルのオリジナル番組をラインナップ。

BSJapanext

BSJapanextはジャパネットブロードキャスティングが展開するチャンネルで、地域創生、スポーツ・エンタメ、アニメ、健康・趣味・教養などのコンテンツに加え、オリジナルスマホアプリからの番組参加や、番組の中で見つけたもの・興味を持ったものなどを手軽に購入できる番組を放送。

BSよしもと

BSよしもとは「地方創生」をコンセプトに開局。全国各地で活動するYouTuber、映像ディレクター、記者、住民などと吉本興業グループが力を合わせて、地域の魅力やその地方ならではのニュースなど「地域の活性化や課題解決のヒント」となるプログラムを発信。BSの全国ネット放送網を通じて、番組が新たなビジネスや雇用を生み、ひとつの事業となる「一番組一起業」を目指す。

開局したBS新局、盛り上がったようにみえたが。。。。

各局思ったようには視聴率が取れていないのが現状、新聞のテレビ欄に載っていない、認知が低いなど課題は多いようだ。

そして、実は新BSはそもそも視聴のハードルが高い。まず、探しにくいのだ。既存のBSチャンネルも、ここまでかなり苦労してきた。民放系のBSチャンネルは2000年に開局してから視聴獲得に苦慮し、2010年台になってようやくビジネスと言える規模になった。

地デジ化を機に多くの世帯でBSが視聴しやすい環境になったのは大きい。だが、視聴できても簡単に習慣的に見るようにはならない。リモコンのBSボタンを押す壁は意外に高かった。そもそも何曜日何時にどのチャンネルで何を放送しているか、知らないとボタンを押さないだろう。

さらに2010年台に入りBSは混雑しはじめた。新しいチャンネルが次々に開局したのだ。BSボタンを押して、まあまあ親しみがあるNHKや民放BSの先にはBSイレブンにトウェルビ、WOWOWがあってさらに有料BSが並ぶ、さらに先に行くとようやく新BS3局が現れる。これでは、もし一度見てくれたとしても、また見ようという時にどうやってたどり着けるか思い出せない人も多いだろう。

そしてもっと大きな問題がある。日本にはケーブルテレビ経由でテレビ視聴をする世帯が意外に多い。そういう世帯ではBS放送をケーブルテレビ局が提供するSTBで見ることになる。(ケーブル世帯でもSTBを介さずBSを視聴できる世帯もあるがまだ少ない)

ところがすべてのケーブルテレビが新BSをSTBで視聴できる状態にしているわけではないようなのだ。事業者同士の交渉が必要になるし、ケーブルテレビの会社からすると設備の追加費用も必要になる。ある程度、視聴ニーズが見込めないと踏み出しにくい。

ただでさえBSチャンネルの並びの奥にある新BSだが、そもそも視聴できない世帯も結構ある。前途多難であるのも仕方ないのだ。

突破口はネット配信にある?

BSよしもとは開局と同時にネットでの配信もスタートさせた。

「BSよしもと動画配信」では放送中の番組をそのまま同時にネットで配信している。またすべてではないが番組はアーカイブ化され放送後に見ることも可能だ。BSよしもとの画面にはこの配信サイトにQRコードからスマホでダイレクトにアクセスできる。

ディズニーの運営するBSチャンネル「Dlife」のように、番組編成の充実とチャンネルのプロモーモーションにより認知を上げることに成功し、広告媒体として需要が高まったBSチャンネルもあったことから、今後の各チャンネルの成長が期待されている。