ロゴデザインのガイドライン(レギュレーション)とは、制作されたロゴを使用するにあたっての取扱説明書のようなもので、ロゴのカラーや最小サイズ、縦横の比率やロゴ周りの余白などを指定するものです。CI(=コーポレート・アイデンティティ)を重視する企業のほとんどが、何らかのロゴ使用に関してのガイドラインを定めています。

ロゴが使用される媒体は、印刷物やWEBサイト、社内ツールなど多岐にわたり、各ツールにおいて正しいビジュアルコミュニケーションが行われる必要がありますので、ここではロゴデザインの基本的なガイドラインについてご紹介します。

ロゴデザインのガイドライン①:アイソレーションエリア

アイソレーションとはロゴの周りの余白のことで、ロゴが他の要素に紛れないことや印象を損なわないために設けたエリアです。ロゴの上に文字が乗ることや他のマークと近づけすぎると、どこまでがロゴなのか識別しづらくなってしまうため、ロゴデザインで想定されたイメージを正しく見る人に伝えるために、アイソレーションエリア内には他のデザイン要素や文字などを乗せることができません。

例えば上記の画像の場合、青線より内側に他の要素を入れないように指示されていることになります。

ロゴデザインのガイドライン②: カラー設定

ロゴマークの色はそのままコーポレートカラー、もしくはブランドカラーとして扱われることが多く、視覚的統一性を図る上で重要な役割を果たします。ロゴデザインで指定された色を正確に表示することが重要ですので、媒体によって適切な色味に変換する必要があります。
基本的にはRGBカラー・CMYKカラー・モノクロの場合においてどのような数値に設定すれば良いのか、ほとんどの場合ガイドラインにおいて指定されていますので、それぞれに応じたカラー設定を使用しましょう。
また、ロゴのガイドラインを定める立場である場合には、ロゴを掲載する背景色が、カラーなのかモノクロなのか、様々な彩度や明度の違う背景にロゴを掲載する場合を想定して、対応できるカラーパターンを設定しておくことが必要です。どんな状況でもロゴがはっきりと読めるように、最低限の使用ルールを決めておきましょう。

ロゴデザインのガイドライン③: 最小サイズの指定

ロゴデザインのガイドラインでは、多くの場合「これ以上小さくすると文字が視認できなくなる」という最小サイズが定められています。名刺などの小さなツールに掲載される場合や、フライヤーの端にロゴマークを配置する場合など、最小サイズを下回っていないか注意しましょう。

ロゴデザインのガイドライン④: 使用禁止例

適切にロゴデザインを使用する際に、示されたガイドラインを詳しく読めばどう使えば良いかは書いてありますが、ガイドライン上の使用禁止例の項目を見ると、典型的な使用禁止例が列挙されていますので、問題がある使い方をしているかどうか簡単にチェックができるので便利です。多くの場合、下記の様な禁止項目が定められています。

  • ロゴの縦横比を守らない斜体・平体変形
  • グラデーション表示
  • ロゴのフォントの変更
  • ガイドラインと異なる色の設定

ガイドラインを設定する場合は、この様に細かい点まで想定して使用禁止例を設定しておくことで、デザインの専門家でない人でもロゴデザインの適切な使用方法が直感的に分かりやすくなり、結果としてユーザーとの正しいコミュニケーションを守ることができます。

まとめ

ここで紹介した項目以外にも、コーポレートフォントと呼ばれるその企業独自のフォントや、基本のロゴデザインを展開させたグラフィックパターンなど、CIを強化する要素は多岐にわたりますが、ここではそのうち最も基本的な要素としてロゴデザインの基本的なガイドラインについてご紹介しました。ロゴデザインはCIの一環として非常に重要な存在で、想定されている効果を発揮するためには、ロゴガイドラインをきちんと守って使用することが重要です。