Webサイト制作・Webアプリ開発は、誕生してから長い時間、Webの専門知識・技術を持った開発者が膨大な時間をかけ行うものとされてきました。しかし現在、Webプログラミングを学ばなくても、十分なクオリティのWebサイトやアプリ・Webサービスを構築することができるノーコード(NoCode)ツールが、様々な企業・スタートアップによって次々と開発されています。 Google・Amazon・Microsoftといった巨大企業も続々とノーコードツール開発に参入し出しており、その結果、様々なノーコードツールが日々研究され、アップデートを重ねています。
ノーコードツールの発展
そもそもノーコードとは、言葉として流行しているために、最近登場してきた最新技術のように思われがちですが、歴史はそれなりに古く、日本では「ホームページビルダー」といったソフトもノーコードツールの一つです。Web制作の一般化・民主化に大きな役割を果たしましたが、細かな設定や生成されるWebサイトのコードに無駄なコードが書き込まれる例も多く、当時のプロの現場ではスタンダードなツールとして普及することはありませんでした。
しかし、多くの企業がこの分野に参入し開発が進んだ結果、フロントエンド(画面のデザインやクリック動作)やバックエンド(操作時の振る舞いやデータ処理)、データベース(データ保存やデータ取り出し)といった、Webアプリ開発に必要な全ての要素を開発できるツールが開発され、海外ではノーコードツールがWeb開発における標準的な手段になりつつあります。
ノーコードツールの日本での広がり
ノーコードツールは海外で広がっていますが、日本も例外ではありません。ネットショップ作成サービスのBASEは、コーディング無しでネットショップ開設が可能で、さらに拡張機能を使えば、最短2週間でショップ専用の公式アプリを開発することができるといったサービスを提供しています。Wix、STORES、カラーミーショップといった競合ツールも同様の機能を持ったサービスとして広くユーザーを集めています。このように、日本でもノーコードツールが注目されている背景として、デジタルトランスフォーメーションが推奨される流れに加え、コロナ禍によるオンラインサービスへの需要増加などがあります。その結果、Webコンテンツ制作の内製化が求められており、技術としては古くからあったノーコードツールが再注目されることになりました。
ノーコードツールの利用が進んだ世界
このように、ノーコードツールが発展してきた過程について述べてきましたが、これからノーコードツールが普及していくとどういう状況が生まれるでしょうか?Webエンジニアが不要になるでしょうか?
これまでプログラミングスキルを持ち合わせていなかったビジネスマン・学生・主婦の方々がコードを書かずにアプリケーションを開発できるようになり、web制作の分野はこれまでよりもはるかに民主化が進み、一般的なものになります。誰でも頭の中にあるアイデアをWebの世界で具現化できる反面、それぞれのツールの良し悪しをきちんと把握し、最適なツールを選びとるには、まだまだWebエンジニアの知識が必要です。
ノーコードツールは完璧なツールではなく、細かい部分でどうしてもCSSやコードを書いたり、専門知識が必要で、まだまだWebエンジニアが不要な世界というのはやって来ないと思われます。しかし、ノーコードツールの普及によってWeb制作の敷居がかつてなく下がっているのも事実です。
誰でもWeb制作ができるこの時代、この機会に、ノーコードツールでWeb制作に触れてみてはいかがでしょうか。