年々利用ユーザーの規模が拡大している動画配信(VOD:ビデオ・オン・デマンド)サービス。
好きな時に好きな映像作品が見られるこのサービスは、2020年に5Gの解禁でさらに利用しやすくなり、利用者増加の動きが加速すると予想されていました。そんな中、今、世界に影響を及ぼす新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、日本でも外出自粛が要請され、自宅で過ごす人の割合が急増。外出を制限されている環境下でも楽しめる娯楽の一つとして、動画配信サービスがより一層注目され始めています。

そうした時代の流れをうけ、今回は、動画配信サービスの特徴や違い、動画広告を活用できるのかどうかなどを紹介していきます。

動画配信サービスの違いは大きく2つ

「動画配信サービス、VODって最近よく聞くようになった言葉だけど、沢山ありすぎる!違いは何?」と内心思っている人も少なくないはず。細かな配信コンテンツの内容は各社異なりますが、動画配信サービスの種類は大きく分けて2つ。

定額・または都度課金で映画やドラマ、オリジナル番組を視聴し放題の【有料配信サービス】と、オリジナルの番組を無料でリアルタイム、もしくは見逃した番組を次回の放送回までに視聴できる【無料配信サービス】です。

普段よく聞くサービス名がどちらに分類され、どういった特徴があるのか。【有料配信サービス】と【無料配信サービス】で分けて簡単にまとめていきます。

【主な有料配信サービス】

Netflix

全世界で1億を超えるユーザー数を誇る、世界最大級の配信サービス。海外ドラマのコンテンツ数が多いだけでなく、国内外のオリジナル作品の配信も充実していて、賞にノミネートされる作品など、質の高い話題作を次々にリリースしています。

U-NEXT

2020年春時点で17万以上のコンテンツを配信している、国内最大級の配信サービス。更新頻度が高く、会費で雑誌や漫画も楽しめるので、動画だけでなく、さまざまな娯楽ジャンルの新作を楽しみたい方向けです。ドキュメンタリー系の作品の取り扱いが多いのも、他のサービスと異なる点です。

Hulu

米国発のコンテンツで海外ドラマのコンテンツは勿論、日本では日本テレビが親会社となったため、ドラマやバラエティを中心に、フジテレビやWOWOWほか在京6局のテレビコンテンツも多数配信。キッズプログラムやリアルタイム配信など様々なニーズに幅広く対応しています。

AmazonPrimeVideo

Amazonプライム会費で利用できるリーズナブルさが強みで、ネットでのお買い物が多い方と相性が良いです。国内外でオリジナル作品を強化していて、ユニークな番組も増えてきています。

dTV

ドコモが提供する配信サービス。月額がリーズナブルで作品数も多いのが特徴。エイベックスが運営をしているので、国内や韓国アーティストのライブ配信など音楽ジャンルに強いのが大きな特徴。韓流ドラマの作品数も多いという一面も。

DAZN

dTVと同じくドコモが提供する配信サービスですが、DAZNは「スポーツ好き」に特化したサービス。年間10,000試合以上のスポーツ映像が見放題で、試合の見逃し配信や選手インタビューといった関連番組など、スポーツ好きにはたまらないコンテンツを取り揃えています。

Paravi

「日本最大級の国内ドラマアーカイブ」の謳い通り、昔のドラマから最新ドラマまで一挙見が可能。番組の未公開カットやドラマのアナザーストーリーなども独占配信していてTV好きには持ってこいのラインナップです。

キー局の有料動画配信

FOD、日テレオンデマンド、TBSオンデマンド、テレ朝動画、テレビ東京ビジネスオンデマンドなど、キー局毎の有料配信サービス等がございます。
その中でもFODは力を入れており、キー局の有料動画配信サービスの中でも加入者数を多い、フジテレビが運営する月額制の動画配信サービス。チャンネルにちなんだ月額888円でフジテレビのドラマやバラエティをはじめ、海外ドラマ、アニメ、映画などを定額で見放題。アニメはジャンプ作品が豊富。100紙以上の雑誌の読み放題もサービスに含まれているのも魅力です。

【主な無料配信サービス】

TVer

民放5局がTV離れを防止するために立ち上げた見逃し配信ポータルサービス。厳密にはVODではなく各キー局の配信サービスの集合体という新ジャンルの配信サービスです。旬の番組が放送終了後すぐに配信され、次の放送までの約1週間無料で楽しめるのが魅力で、配信番組もキー局以外の局の番組も含め続々と追加されています。

AbemaTV

国内初の「インターネットテレビ局」。リアルタイムでオリジナル番組を無料で視聴可能。TV同様チャンネルが複数あり、ドラマ、バラエティ、ニュース、コアなジャンルでは将棋、釣り、格闘、麻雀など、多種多様なジャンルをそろえ、同時にO.A.されています。番組のオリジナル性が年々話題になっており、特に恋愛バラエティの人気が高まり10代、20代から多くの支持を集めています。

GYAO

TVer同様、放送後の番組の見逃し配信に加え、放送中のドラマのスピンオフドラマやバラエティ番組など、オリジナルのコンテンツが楽しめます。アニメ、音楽、韓流ドラマなど様々なジャンルが揃っています。

キー局の無料動画配信

日テレ無料(TADA)!、TBS無料、テレ朝キャッチアップ、ネットDEテレ東など、キー局毎の無料配信サービスがございます。

【2020年、動画広告はどの動画配信サービスでも活用できる?】

2020年春時点での答えはズバリ、No。動画広告を活用できる配信サービスとできない配信サービスがあり、動画広告を活用できる主なサービスはTVer、Abema、GYAO等です。無料配信サービスは、TV同様、会費がかからず楽しめるコンテンツを多数提供している代わりに視聴者を集め、その視聴者へ露出する広告収入を柱とするビジネスモデルであるため、動画広告が出稿できる仕組みとなっています。TV同様、番組と番組の間で必ず広告が流れる仕組みであることが視聴者にも織り込み済みであること、またサービスが無料で提供されているという前程があることから、一部の統計では、広告許容度が高く記憶にも残りやすいというポジティブな結果も出てきています。また、従来のテレビに近い仕組みであることや、新しいコンテンツといったイメージがあることで、動画配信サービスへの出稿は費用が高そうだとイメージされがちですが、選択するサービスや、出稿エリア、番組の選び方など、どんな視聴者をターゲットにしてどのようにアプローチしたいか相談しながら戦略を立てていけば、コスト効率良く活用することも可能です。

2020年は動画配信サービスの利用者数が伸びる外的要因が多く、これらのメリットも加味していくと、無料配信サービスは動画広告を活用できる媒体として今後さらに注目されていくと予想します。

まとめ

動画広告の活用先として注目されつつある、動画配信サービス。発展中のこのサービスで広告展開をするメリットは数多くあり、近い未来には、TVやYouTubeと並んで、広告出稿の選択肢になる可能性を持っています。次の記事では無料動画配信サービス「TVer」での広告出稿を例に、その魅力を紹介します!

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