新型コロナウイルスがテレビ業界に与えた影響

 今年に入ってニュースで耳にしない日はない「新型コロナウイルス」。その威力は止まることを知らず、世界的に第二波、第三波と拡大を続けている。この事態に影響を受けた企業は多いが、テレビ局もその一つだ。
 民放テレビ局の収入の柱であるCM放送は、レジャー・化粧品・外食業界が中心だがCM自粛のあおりを受け、3~4割程度落ち込んでいる。

スポットCM収入に限った数字ではあるが、キー局の発表による2020年5月の前年同期比は

テレビ朝日 58.7%
TBS 59%台
テレビ東京64.7%
フジテレビ57.5% という落ち込みようだ。

 また、テレビ局が影響を受けているのは、CMの減少だけではない。スポーツやイベントの中止、感染対策の兼ね合いから番組の制作・収録が難しくなったことでのコンテンツ不足がおこり、業界は日夜対応に追われている。
番組、ドラマの収録も今までのように行えないことから、予定していた枠が空いている状態が続き、再放送番組で埋めている状況である。
人気ドラマの再放送を目にする機会も多かったのではないだろうか。情勢の回復の兆しは見えないことから、状況は続くと考えられる。

視聴率には良影響?

苦境に立たされているといえるテレビ業界だが、CMを放送する側の視点で見れば、決して悪いことばかりではない。
なんとテレビの視聴率は上がっているという結果が出ている。企業は軒並みテレワークで、学校も臨時休校など在宅者が増え、HUT(総世帯視聴率、ハウスホールズ・ユージング・テレビジョン)が上がったためと考えられる。特に新型コロナ関連でニュースや情報番組の視聴率が上がっているが、『stayhome』で休日も家で過ごすという人が増えているため、テレビの需要が増え全体的プラスに転じたと考える。

今がCM放映のチャンス⁉

 今まで以上にテレビへの関心が高まり視聴率は好転しているが、情勢の影響でCMを打つ企業は減少の一方。
 放映できるCM素材がないとコストを落としてでも枠を埋めるという動きが起きるため通常よりも安価なCM投下が可能になっている。 効率的にCM放映ができるのは今がチャンスなのだ。

今後のCMの在り方

今後、新型コロナウイルス感染症が終息したとしても、人々のライフスタイルや働き方が以前に戻る可能性は低く、今後も在宅勤務などは続くと考えられるため、テレビの視聴率はあまり落ちないのではないだろうか。
CMも時代に合わせた変化がみられ“新しい生活様式”を用いたCMが増えてきている。自宅で撮影をしたような映像や身近なところで楽しみを見つけていくようなもの、感染予防の観点からオンラインでの受付をPRするもの、オンライン決済系など。
業種では外出・外食が避けられている傾向にあるため、通販企業(健康食品、化粧品、アパレルなど)、食品の通販、宅配系が多く、また情勢の影響からか保険系など。
この情勢だからこそ生まれたチャンスに効率のよいCMを投下を検討してはいかがだろう。

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