近年、世界的に「MaaS(マース)」への取り組みが活発化しています。
今回は観光型MaaSについて簡単に解説します。
そもそも『MaaS』とは?
「MaaS(マース)」とは、Mobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)の通称で、さまざまな公共交通の利用を、インターネットによって1つに統合するサービスです。
鉄道、バス、シェアサイクルなど事業者の異なる移動手段を、アプリ1つで、検索から予約、支払いまで一括で管理することができます。
2017年にフィンランドで「Whim(ウィム)」というアプリでサービスを開始したのがはじまりになります。
現在日本では、都市型、地方型、観光型の3種類に分かれて取り組みが進んでいます。
観光型MaaSはまだ初期段階
観光型MaaSは、その名の通り観光向けのMaaSで、観光客の交通利用におけるサービスを軸に、地域に根ざしたコンテンツやサービスを提供します。
最近の大規模な取り組みは、JR東日本が東北デスティネーションキャンペーンに合わせて実施した「TOHOKU MaaS」が挙げられます。(2021/9/30終了)無料の会員登録をすると、東北6県を対象に、観光情報の検索や交通チケットの購入はもちろん、旅行プランの作成、マップの閲覧、観光施設やアクティビティのチケット購入、レンタサイクルやロッカー、さらにお土産の予約などを、1つのスマートフォンサイトで利用することができます。
今後は天気情報などがあれば、さらにフレキシブルな活用が見込めるかもしれません。とはいえ、観光型MaaSは昨今の情勢もあり、全国的に見るとまだ実験段階や成長段階の初期と言えます。
観光地にもたらすメリット
旅行は、目的もスタイルも年々多様化しています。
今後はニッチな需要にいかに対応できるかも来訪の決め手になります。そこで思わぬ観光資源に気づかされるかもしれません。また、旅先で予定の追加や変更がスムーズにできると、旅行客には時間の余裕が生まれ、買い物など新たな行動機会を作ることができます。そして、間接的にはそのようにして満足度が高まることも、とても重要になります。
観光型MaaSによって効率を生み、目に見えないロスが軽減されると、地域への様々な還元が期待できるのです。
まとめ
いかがでしたか?こうした観光型MaaSの発展によって、広告にも変化がもたらされることは必然です。
サービスのアプリ内はもちろん、交通広告や屋外広告まで、進化する旅行者に向けて最適な提供の形を追究していきたいですね。