「Metaverse(メタバース)」とは、英語で「超」という意味の「Meta」と「宇宙」という意味の「Universe」を組み合わせた造語で、インターネット上で構築された現実世界と異なる3D仮想空間のことを指します。近年では、VR(バーチャルリアリティ)とオンライン環境を利用した様々なサービスやビジネスがメタバース上で新たに展開されようとしており、大手広告代理店が、バーチャル空間における新たな情報体験・広告配信の設計など、現実世界とは異なる広告体験の実証実験を開始するなど、国内外においてバーチャル空間を活用しビジネスやマーケティングに役立てようという動きが活発化しています。
メタバース注目のきっかけ
近年「メタバース」という言葉が大きく注目されるようになったのは、FacebookがMetaに社名を変更したことがきっかけです。それまでもメタバースという言葉はIT業界で少しずつ使われ始めていたキーワードでしたが、FacebookがMetaに社名を変更する際「メタバースを構築する企業である」と宣言し、そこからメタバースというワードが広く世の中に知られるようになりました。また、メタバースを体験するためのOculusをはじめとしたVRゴーグルが年々進化し、また安価に利用することができるようになった事もあり、ますますメタバースが注目されるようになりました。
メタバースの未来
メタバースはまだまだ一部のユーザーの利用に限られますが、増加傾向にあり、メタバース上で開催されるイベントも増えてきました。新型コロナの流行もあり、現実で開催できないイベントの代替手段として、日本国内でも東京ゲームショウをはじめ様々なイベントがバーチャル上で開催されています。バーチャル上の展示会などイベントは増加傾向にあり、また、VRのソーシャルサービスも活況で、「VRchat」をはじめとしたソーシャルVRサービスが発達してきており、そういったサービス上で広告が配信されたり、直接VR上で商品の購入・決済まで行われるという事も考えられます。そうなった際に、どういったアプローチを行えばユーザーに受け入れられるのか、広告制作者が考えなければならない時代が来るかもしれません。
メタバースのビジネス活用の懸念点
メタバースはその盛り上がりによって、バズワードとしてしばしば取り上げられ、ビジネスチャンスとして多くの企業が考えていますが、そのため、情報商材や悪徳商法も近年次々と現れており、インターネット黎明期同様に、まだまだ整備された状況とは言えません。仮想空間内で安心して経済活動できるようにするには、メタバースを展開する企業による環境整備が必須であり、VR上のサービスの成熟が待たれています。