通信規格が4Gから高速大容量データ通信規格である5Gに本格的に移り変わっていくことが考えられ、動画広告やIOT分野に大きな変化がおきつつあります。
今回は、5年後、10年後の近い未来に、広告市場がどういった方向性に変化し、消費者と企業のコミュニケーションはどのように変化していくのかを考察したいと思います。

5Gで広がる高品質な動画広告

第4世代移動通信規格と5Gの違いは「通信速度が格段に上がる」「同時接続数が増える」「通信遅延が少なくなる」の3つが異なります。5G通信は社会を大きく変革する可能性を秘めており、その余波はデジタル広告にも波及すると予想されています。

現在は、スマートフォンからWeb広告を閲覧する方が幅広い世代で増えており、動画を利用した広告のシェアも増加しています。ただ、4G回線では高画質の動画はユーザーに負担が大きく出稿しにくいのが現状です。

しかし、高速大容量通信が可能な5G回線が広がれば、データ容量などを気にせず快適に高品質な通信が行えるようになるため、広告の配信側もよりアテンションを強めるための高画質かつインタラクティブな動画広告を配信できる環境が整うと考えられ、ユーザーとのコミュニケーションの質が高まることが考えられます。

新たな媒体開発が進むOOH広告

5Gの特徴である「同時接続数の増加」「通信遅延が少なくなる」ことにより、スマートフォンのみならず、様々なモノにデジタル広告をリアルタイムに配信できるようになります。たとえばデジタル広告の先進国であるイギリスの主要都市では、駅やバスなどの交通機関や道路上の看板や電子パネルにいたるまで、数多くのデジタルサイネージが設置されており、WEB広告同様に時間やターゲット属性などを意識したダイナミックターゲティング配信を行えるようなインフラが整備されています。

日本でも近い未来には、ユーザー属性に最適化されたデジタル広告がリアルタイムにサイネージに配信されるようになる可能性が高いです。また、自宅にある鏡や冷蔵庫などの家電がディスプレイとして機能し、家の外のみならず、自宅の中でもターゲティング広告がリアルタイムで配信されるようになる時代もくると予想されています。

パラダイムシフトがもたらすVR/AR/MR広告の未来

VR(仮想現実)・AR(拡張現実)技術を用いた動画広告配信サービスも開始されていますが、本格的な成功を収める広告サービスは生まれておらず、VR/ARはイベント活用やアプリ内サービスとして限定的なものが目立ちます。また、海外ではMR(複合現実)やSR(代替現実)といったコンセプトが生まれており、現実世界と仮想世界の境界線とユーザーの立ち位置によって概念が変化しつつあり、各分野でウェアラブル端末の開発競争も進んでいるようです。

こうした新しい市場の拡大に5Gの通信技術が加わり、市場規模が10年以内に大きく拡大していくことが予想され、市場の発達と共に、仮想空間に広告を配信する技術や、バーチャル体験を通じての新しい広告コミュニケーションが生まれることが考えられます。

まとめ

2010年代は、あらゆる情報がスマートフォンから得られるようになりました。令和の幕開けは「5Gの時代」になると考えられ、より快適かつ新しい通信体験が生まれようとしており、広告コミュニケーションも時代の変化に合わせた新しい形態が求められています。

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