昨今ではスマートフォンやスマートスピーカーなどが浸透していくことで、音声メディアも発展しております。ラジオに関してもRadiko×スマートスピーカーなどで聴取者も増えてきています。地域に根ざした広告を目指す会社などにはラジオ広告はおすすめ媒体です。

今回はラジオの基本について説明していきます。

ラジオの取り巻く環境について

日本ではラジオ放送が1925年に始まっており、既に90年有余の歴史があります。ラジオ放送は、各ラジオ局で収録した音声を電気信号に変えて、各エリアにある基幹局である放送タワーに送信されます。電波に変換して直接各ラジオに届けます。もともとラジオは ラジオ専用の受信機しか聞くことができませんでした。しかし、近年ラジオの聴取環境は大きな変化がありました。大きな流れは3つ「インターネット放送であるradikoとデバイスの発展」、「ワイドFM」、「テレワークでの在宅時間の長時間化」が挙げられます。

インターネットのラジオ放送であるradikoとデバイスの発展

2010年にradikoというインターネットでラジオが聞けるサービスが始まりました。

ネット回線があればどこでもラジオが聴ける環境になりました。昨今では、スマートフォンの普及に伴い、聴取者が増えています。その影響で通勤通学途中でも行けるようになりました。利用者が少ないと思われがちですが、20年8月には1回利用者数が900万人を超えたとされています。

※無料会員と有料会員の違いがあります
無料会員は現在のリアルタイムの放送が聞ける「リアルタイムのラジオの聴取」だけでなく、一週間前まで放送を聞ける「タイムフリー聴取」も可能です。
有料会員は「リアルタイムのラジオの聴取」と「タイムフリー聴取」に加え「エリアフリー聴取」ができます 。設定している地域だけでなく、radikoは時と場所を選ばず番組を聴取することができます。
radikoの有料会員は2020年8月現在約79万人が登録していると言われており今後さらに増えると考えられます

ラジオの周波数帯であるワイドFMの実施

2015年にワイドFMの放送が開始しました。

ワイドFMはFM補完放送と言われ、今まではFMの周波数を利用して、AMのラジオ番組が聴けるようになりました。詳しく説明すると、AM(中波)の放送区域で難聴対策や災害対策のために、FM(超短波)の周波数を利用して放送されるAM放送をさします。AMラジオの番組をFM放送の周波数で聴けるため、AMの周波数帯が苦手なビルやマンション、高層階などでもクリアな音質でAMラジオの番組を楽しめます。

テレワークでの在宅時間の長時間化からくる、ラジオ聴取時間の増加

コロナ禍において、テレワークで在宅時間の長時間化しており、ラジオの需要は上がってきております。ラジオであれば、仕事の作業をしながらでも聞けるということで、需要が上がっているとされてます。

ラジオのメディアとしての特徴

ラジオ局は全国に98局あります(ラジオNIKKEIなどを除く)。地方局と大都市部でのメディアの特徴が少し変わってきます。

地方のラジオ局の特徴

地方局は関東などと比較すると聴取人口は少ないですが、関東、関西など大都市圏以外では、AM放送、FM放送が1局づつしかありません。

ラジオのメリットとしてザッピングが少ないことですが、地方局に関しては更に局数が少ないこともあり、ラジオ聴取者が分散されず、多くの人が聞くことになります。また、地方では通勤に車を使うことが多くカーラジオでラジオを聴いていることが多いとされています。特に朝夕の通勤時間、帰宅時間帯はドライバーゾーンと言われ、人気の枠になっています。

大都市のラジオ局の特徴

関東エリアではTBSラジオ、ニッポン放送、文化放送、ラジオ日本、東京FM、J-WAVE、InterFM、FM横浜、ベイFM、ナックファイブなどラジオ局が10局以上でかなりの局数になってしまいます。そのため、ラジオCMを実施する場合は、番組名や時間帯、局自体の選定が重要になります。
ただ、地方局と違い、ラジオの聴取者の人数はかなりの人数になります。ターゲットへの到達などマーケットを理解して出稿が必要になります。

ラジオCM広告の買い方

テレビ同様に、ラジオCMの買い方はタイムとスポットに大きく分けることができます。

ラジオCM広告の買い方:タイム

ラジオ番組とともに番組ごとに設定されている時間枠で流れる広告で、提供CMともいいます。テレビ誌CMが15秒尺基準で実施されるのに比べ、ラジオは通常20秒で提供枠の長さによってCMの量も異なります。月単位で広告枠を購入することが多く、同じ番組で流れるので、同じリスナーが繰り返し広告を視聴するため、刷り込み効果が高い広告効果が期待できます。

帯提供複数の曜日にわたって同じ時間帯に放送される番組のことをのことを指す言葉。1週間の番組を一覧にした「週間番組編成表」において、ベルトのように同一時間帯で横に広く記載されることから、こう呼ばれる。また、「ワイド番組」「帯番組」ともいう。
テレコ提供帯番組については金額的には高くなるため、もう少し提供の数を減らす方法としてテレコ提供があります。例えば、帯番組の提供で1周目は月曜、水曜、金曜。2周目は火曜、木曜などといった内容で提供回数を減らし金額的に抑える方法。
ハコの提供ハコとはワイド番組以外の番組は「ハコ番組」と呼ばれます。これも「週間番組編成表」に記した場合に箱状で表記される様子から、こう名付けられております。ワイド(帯)番組ではない番組に対して提供する手法です。
コーナー提供ニュースなど、番組中のコーナーの場合、「○○がお送りする『(コーナー名)』です」ということが多くなっています。
単発提供単発提供以外の提供内容は月、もしくはクールなどある程度まとまった期間で契約する方法ですが、単発提供は少し違います。単発で特番・単発企画(ナイター中継も含まれます。)に対して提供をつけるプランになります。

タイムの中でも多くの種類があります。帯提供>テレコ提供>ハコの提供>コーナー提供と価格が変化していくため、ご予算や目的に応じてどの提供に出稿するか検討が必要になります。※単発提供は人気の枠もあるため、都度値段確認が必要になります。

ラジオCM広告の買い方:スポット

主に番組間の広告枠で流れます。スポットCMは決められた時間帯に1回から広告出稿ができるため、タイムCMに比べて安価で広告掲出が可能です。
番組単位ではなく、時間帯などで放送もできるので、朝の通勤時間帯に絞ると、車で視聴するサラリーマンをターゲットにしたり、深夜帯に絞ると勉強をしながら視聴する学生にターゲットを絞ることができます。

地域密着型の中小企業であれば地域限定の放送局を利用するなど、エリアや時間帯に絞って広告掲出も効果が高いと言われています。

また、通常のスポットだけでなく、フリースポットという方法もあります。イメージは空き枠への出稿と思っていただければと思います。出稿予算を決め、局側にどこに放送するかを任せて出稿します。事前での放送時間はわからないですが、一般的には通常スポット広告と同様に予算であれば、フリースポットのほうが多く出稿することができるものとなります。

その他ラジオの用語について

ナイターインとナイターオフ

ラジオ放送局においてプロ野球のナイター中継がある期間を「ナイターイン」、ない期間(毎年10月第1月曜日から、翌年のプロ野球開幕戦のある週の日曜日まで)を「ナイターオフ」と呼んでいます。

プロ野球と密接に関わっているラジオ局ならではの用語です。

ドライバーズゾーン

プロ野球同様に、聴取率が高いとされている通勤時間帯をドライバーズゾーンと呼んでいてます。特に、地方では移動手段が車という方が多くいるため、車で運転しながら聞けるラジオは聴取率が高いとされております。

ラジオCMの考査について

ラジオCMの業態考査について

テレビと同様で業態考査が必要となります。WEB等では少し業態考査がゆるいところがありますが、業種、業態や会社として社会的信用があるか支払い能力があるかなど会社を審査します。

ラジオCM素材の考査

広告内容が法的に問題ないかいや表現方法がコンプライアンス違反していないかなとが挙げられます。商材に関しても業界的な自主規制などがもあります。
ラジオならではだなと思うものはパトカーや救急車などの緊急サイレンに関して演出している表現は紛らわしいということで「NG」とされています。

基本的に放送される局ことで判断が行われ都度審査が必要とされています。

ラジオCMの放送素材

当たり前ですが、大きく分けて自前で用意するか、局に任せるかです。
ラジオ CMでは放送素材を放送局に任せ、作ることができます。別途の費用がかかりますがサウンドロゴなども依頼することができます。局製作で完結するため、費用を抑えることも可能です。
自前で作る場合は、MAルームやナレーションルームなどで作成します。規定等が細かくあるため、その規定をクリアできるような所が良いかもしれません。

次に素材の尺についてです。

CM秒数:基本の秒数20秒が中心
他にも5秒・10秒・30秒・60秒など

とかなり細かく時間が分かれております。また、広告枠として、番組を持つことも可能ですので、各局に問合せが必要になると思います。

まとめ

最後にラジオ CMのおすすめポイントは4つです。

■低予算で実施が可能なテレビと比べて 低予算で実施が可能
 また先ほど説明しているフリースポットなどで費用を
 さらに抑えることができます。

■柔軟なアレンジがかなり効く
 ラジオとSNSを組み合わせたプランなども多く取り揃えており、
 柔軟なアレンジで実施が可能になっています。

■ラジオの特徴を生かしたオプションメニューがある
 生CM などは実際にパーソナリティーが生放送で体験して
 感想などアピールすることができます。
 主に通販などにはお勧めです。またイベントなどに出張する
 ラジオカーなども実施が可能です。

■ザッピングが少ないため聴取者が固定しており刷り込み効果が強い

ラジオ局は地域に根ざして活動しているためイベント協賛なども多く取り揃えています。詳しくはご相談ください。