いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが来年に迫ってきました。夏季オリンピックでは1964年以来56年ぶりとなる日本開催。盛り上がりたい気持ちもひとしおですが…ちょっとお待ちください!熱い想いをそのまま広告に注ぐのは危険です。場合によっては違法に!?
今回は、オリンピックに絡んだ広告表現の注意点をご紹介します。
アンブッシュ・マーケティングとは?
アンブッシュ・マーケティングとは、いわゆる便乗商法です。オリンピックやパラリンピックなどの大きな大会やイベントで、権利者の許可なくロゴを使用したり、開催イメージを流用してマーケティングに利用することを指します。故意でなくとも権利者の許可がないまま無断でロゴやスローガンなどを使用することは違法です。
具体的にはどんなこと?
さっそく具体例を見てきましょう。
[わかりやすいNG例]
・「私たちは大会スポンサーです」と虚偽の表示をする。
・東京オリンピックのロゴやマスコット、五輪のマークを、無断で使用する。
[知っておきたいNG例]
・大会の正式名称や略称、さらに「聖火」などの関連用語を無断で使用する。
・日本オリンピック委員会のスローガンである「がんばれ!ニッポン!」の表記を無断で使用する。
・「2020 GAMES」などオリンピックを想起させる表記を入れる。
・「オリンピック通信」などの名称をつける。
・五輪のシンボルを想起させるデザインを使う。
[気を付けたいNG例]
・「オリンピックエリアに新店舗OPEN!」「オリンピアンがやってくる!」など、オリンピック・パラリンピックのイメージを無断で流用する。
・以下のような用語の使用も避けましょう。
「Tokyo 2020 ○○○○」
「〇〇〇リンピック」
「祝!東京五輪開催」
「目指せ金メダル」
「ロンドン、リオそして東京へ」
「2020へカウントダウン」
「オリンピック」というブランドを守る意味。
実は、大会の運営経費は大部分が(正規の)マーケティングの財源に依存しています。スポンサーやライセンシーは、多額の支払いと引き換えに、オリンピックの商標や、写真・映像などの利用権を特別に得ることができます。この利用権がアンブッシュ・マーケティングによって曖昧になってしまうと、いわゆる“スポンサー離れ”が起こり、財源の確保が困難になるのです。開催が維持されるためには、「オリンピック」というブランドが適正に守られる必要があります。
いかがでしたか? 2020年の次となる2024年の夏季大会は、パリの開催が決定していますね。未来のオリンピックのためにも、健全な広告表現で、熱い応援をしていきましょう。
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