かつて学校で習った方も、習っていない方も、意外と身近な生活に関わっているのが統計学です。ここでは、統計学がマーケティングに、どのように関連しているかをゆる~くご紹介します。

■統計学とは?

統計学とは、漠然と散らばっているデータを分けて、性質を見ることです。たとえば、学校の偏差値、会社員の平均年収、テレビの視聴率など、日常でよく目にする数字にも使われています。また、この先大きな発展が見込まれるAIにも、統計学の概念は重要です。

■いつからあった?

17世紀のイギリスで、教会の死亡表からロンドンの人口状況を明らかにしたジョン・グラントが、統計学のはじまりと言われています。その後、ハレー彗星で有名なエドモンド・ハレーが行なった死亡年齢の解析は、今日の生命保険の繁栄につながっているというから驚きです。

■マーケティングとのつながり

統計学のメリットは、数字という形で客観的に比較ができること、予測ができることではないでしょうか。以下に、マーケティングによく登場する基礎的な手法を2つ、ふんわりと説明します。

仮説検定

仮説検定は、実施したものに意味や効果があったかを検証することができます。中でもカイ二乗検定は、「配信数が違うメルマガ」で「開封率が少し違う」場合、効果の違いはあった?など、ABテストに用いることができます。計算は、“ABには差が無い”という仮説の数値と実際の数値を比べて、差が無い可能性は低いから効果の違いはあった(or 可能性は高いから効果の違いは無かった)、のような出し方をします。

回帰分析

回帰分析は、「展示スペース」を広げたら「売り上げ」はどのくらい上がる?など、1つの要素から1つの目的を出したり(単回帰分析)、「展示スペース」「SNS告知」「雨の日」で「売り上げ」はどうなる?など、複数の要素から1つの目的を出したり(重回帰分析)します。

前者は、ばらついたデータ分布の“点々”の、なるべく真ん中を通る“直線”を探します。データを象徴する直線ができれば、これが方程式となって、過去になかった数字からも予測がつけられます。後者は、前者の考え方をベースにしつつ、要因が結果に影響する割合(SNS告知は売り上げに大きく影響するけど、雨の日はそこまで影響しない、など)も踏まえて法則を出す、というイメージです。

最後に

デジタル化の進む近年は、データの取得自体が容易になってきています。ビジネスシーンで実際のデータ解析をすることはなくても、統計学の概念はもっと一般化していくかもしれません。分析を有効に活用して、消費者にとって本当に有益な情報を、的確に届けていきたいですね。

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