WebサイトやWeb媒体、SNSの自社運用が増えるなか、「自社にライターがいなくて、自分でキャッチコピーや文章を書く必要に迫られている」そんなメーカーご担当者様が多くいらっしゃるのではないかと思います。また、広告業界に入りたいけれども、文章を書くのが苦手で自信がない…営業だけど、制作スタッフになかなか文章で伝えられなくて苦戦している…そんな人も多いのでは。

そこで取材記者や雑誌編集者、コピーライターとして20年以上に渡りライティングに携わってきた筆者が、キャッチコピーや文章上達の秘訣を簡潔にお伝えします。

実は筆者も文章を書くのが苦手だった

子供の頃から出版業界や広告業界へ進みたくて、新聞は毎日読んで、本もたくさん読んできた筆者ですが、決して文章が得意というわけではありませんでした。

それはなぜかと言うと、文章は「書かなければ上達しない」から。この一言に尽きます。

新卒で働き始めた当初は1記事に何時間もかけていたものが、数をこなすうちに次第に上達していきました。とにかく書いて書いて、数をこなしてようやくそれなりに書けるようになってきたのです。

また、作文が苦手な自分の子供に月に1回作文を書かせたところ、1~2年もすればスラスラと書けるようになったことからも、「書くこと」の効果はうかがい知ることができます。

だから、今書けなくても心配は要りません。書いていくうちに上達するのですから。

なぜ「書くと上達する」のか

読むことと書くことでは、思考の過程が異なります。

文章を「読む」ことの本質は、筆者が用意した文章を読み、その文章で筆者が何を伝えたいのか「解読する」ことです。一方で「書く」ことの本質は、数多くの言葉を組み合わせ、自分が伝えたいことを表現する「言葉の取捨選択」です。

ですからいくら「読む=解読」することに長けていて、小説を読んで場面を想像し、感性豊かであっても「書く」時には別の能力が必要なわけです。

以前、小学生の子供の作文を読んだ時に、「家族で動物園に行きました。(中略)楽しかったです」「学校で運動会がありました。(中略)楽しかったです」と、毎回同じような言葉を使っている状況に気が付きました。

そこで子供にはまず「楽しかったです禁止令」を出しました。つまりいったん「楽しかったです」を禁止して、どのように楽しかったのか、その時にどんな気持ちだったのか、別の言葉に言い換えましょう、と指導してみました。

最初はとても苦しみ、どう書いていいのか分からなかったようですが、次第に「コツ」をつかんで自分の言葉で文章が書けるようになっていきました。「楽しかったです」と毎回同じ言葉を使うのではなく、考えて考えて、色々な書き方を学んだ結果、「上達」していったのです。

これは大人でも言えることで、「書くという工程そのものが文章上達に必要な要素」であり、これに次の項でご紹介するちょっとした工夫を加えることで、文章は見違えるほど良くなっていきます。

わずか4つで見違える上達のポイント

「言葉を言い換える=文章をリライトする」ことが文章上達の一歩です。特に言葉を言い換える過程で、以下のことを意識すると上達するはずです。

①別の言葉が無いかを探る。

例えば「楽しかったです」という言葉を使いたい時に、そのままではなく、「愉快だった」「幸せな気分になった」など別の言葉を探ることで、言葉の引き出しを増やすことができます。

②語尾を変える。

毎回、同じような語尾になっていないかも気を付けるポイント。全部の語尾が「です。」「です。」で終わっていると、文章は単調になってしまいます。例えば「楽しかったです」→「楽しく感じました」「楽しい遠足でした」など意識して語尾を変えることで、文章に抑揚を付けることができ、自然と変化にとんだライティング能力が身についていきます。

③パワーワードをつくる。

パワーワード、つまりインパクトのある言葉を作り出すのはとても重要です。

例えば前述の「楽しかったです禁止令」など、「なんだそりゃ」と思えるような「引っかかり」をあえて作ることです。読者に自分の文章が個性的な「読む価値のあるもの」だと思って頂くことが大切であり、そうした工夫が、個性的で、魅力ある文章を作る力を育みます。

④自分のイメージに近い文章を探す。

ビジネス向けの硬い文章なのか、軽いトーンなのか、男性向けなのか女性向けなのか。キャッチコピーや文章は、伝えたい相手によって変化します。なかなか良いキャッチコピーのアイデアが浮かばない時は、自分のイメージに近いWebサイトや雑誌などを探し、その媒体がどのような表現をしているのかを研究します。

温泉の良さを伝えるためには温泉本や旅雑誌を、おしゃれな家電製品のキャッチコピーには高級価格帯の家電製品やハイブランドの家具などを研究しながら、自分の言葉にしていけばいいわけです。

それでもどうしても「書けない」時は…?

やはりキャッチコピーや文章を書くことには向き不向きがあるので、それでもどうしても「書けない」とお悩みの方もいらっしゃると思います。

もはやそんな時は「餅は餅屋」。自社制作に固執せず、プロに任せるのが一番です。

第一エージェンシーでは社内に経験豊富なコピーライターが多数在籍しているので、キャッチコピーや文章にお悩みの際はぜひご相談ください。商品を魅力的に表現するキャッチコピーだけでなく、インタビュー取材、BtoB向けのWebサイトやパンフレット用の文章、記事制作などあらゆるクリエイティブに対応いたします。