コロナ禍に伴い、国内外の旅行需要が停滞する中、自宅にいながらにして観光名所やグルメを楽しむことができる「オンラインツアー」が話題になっている。
自治体や観光関連企業、観光協会などは様々なオンラインツアーの企画を立ち上げ、新しい観光旅行需要の創出に力を注いでいます。

オンラインツアーって?

オンラインツアーとは、これまでの旅行と異なり、自宅や会社・学校など参加者の都合のよい場所から、Zoomやインスタグラム、Youtube等オンラインを通して参加できる旅行のことです。

観光地から配信される映像を楽しんだり、配信メディアや環境にもよるがガイドや各観光地の担当者と直接やりとりを行うこともできます。

旅行の楽しみはそのままに!

旅行の大きな楽しみの一つであるご当地の名物や名品を味わうグルメについても、事前に参加者へサンプリングを行うことで”食”の要素もケアされているものが多いです。

また”お土産”については、ガイドが商品を購入できる通販サイトへの誘導を行い、実際の旅行のごとく、ふらっとお土産店に立ち寄る感覚で買い物も楽しむことができます。

オンラインツアーの参加者が求めるもの

オンラインツアーの参加者が求めているものとして、ある調査会社のデータによれば

ライブ中継の開催スタイルに参加された方が63.8%と高く、天気や観光地の空気感など、“今”の現地の雰囲気を臨場感たっぷりに味わうことができるライブ中継スタイルの企画が人気なことがわかります。

また、参加費については

参加費無料のものがやはり人気で、有料のものでも4,000円以下のものが主流な様子。

有料のものについては、お土産や現地訪問時に使える割引券等がついた企画や、一般の方が普段は立ち入れない場所へ潜入できるような企画が多いようです。

そして、オンラインツアーの参加目的としては

「将来の旅行の情報収集/旅の予習」が65.1%となっており。オンラインツアーを通して、現地の様子を確認し魅力を身近に感じることでアフターコロナのリアル旅行への”予習”をしているのかもしれません。

オンラインツアーの企画に悩む主催者

前述してきたように、オンラインツアーの需要が高まる一方で、参加者の目的が”旅の予習”という点もあり、オンラインツアーの主催者である旅行代理店や観光関連企業は、より臨場感を伝えることができ、またより将来の来訪へつながる企画を苦慮しているようです。

このオンラインツアーに関しては、
宿泊施設や運送機関の手配業務が発生しないことから、旅行代理店だけでなく、観光関連企業や観光協会、企画が得意な広告代理店やPR会社とタッグを組み、独自の企画で参画しているケースも多いようです。

今後の可能性

人の移動が制限を受ける状況で、観光の在り方も大きく変わってきています。電車や飛行機を乗り継いで、行きたい所へ行くリアルな旅行と、自分の今いる場所から、行きたい所を感じられるオンラインの旅行。今後はこの2軸の掛け合わせが観光需要の大きなポイントになるようです。