既に日本語で制作されたデザインを英語や中国語など他の言語に対応したいと考えた事はありますでしょうか。ここでは、繁体字で翻訳されたテキストをデザインに落とし込む際、注意すべき点についてお伝えします。
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簡体字と繁体字
中国語には繁体字(はんたいじ)と簡体字(かんたいじ)の2種類があり、伝統的な繁体字中国語は、日本でいう「旧字体」に近いものですが、台湾や香港などでは現在も標準的な字体として一般的に使われています。主に台湾、香港、マカオで使用されています。
簡体字中国語は、1950年代に中国で制定された従来の漢字を簡略化した字体で、中国全土、シンガポール、マレーシアなどで主に使用されています。中国文字改革委員会が既存漢字の整理と簡略化を目的として1964年に「簡化字総表」を公告し、これが現在中国で使われている簡体字となりました。
中国語フォントについて
中国語に翻訳されたテキストを日本語フォントでそのまま原稿に流し込もうとすると一部の文字が□になって表示できないという問題が発生します。これは、日本語フォントが中国語に対応していないために、置き換えや外字・異体字として扱われてしまうことが原因です。この問題を解決するためには、中国語に対応した多言語フォントを使用する必要があります。いくつか、多言語フォントのうち、無料で使いやすいものについてご紹介します。
Noto sans CJK TC
中国語フォントの中でも、無料で使いやすいフォントとして代表格はGoogleが提供している「Noto Sans CJK TC」です。このフォントは無償な上にフォントのウェイト(太さ)が Thin、Light、Demilight、Regular、Medium、Bold、Black と数多く用意されているため、非常に使いやすいフォントとなっています。
Noto Serif CJK TC
Noto Serif CJK は、2014年にリリースされたNoto Sans CJKフォントの仲間で、Noto Sans CJK と同じく、この1つの書体で、中国語(簡体字、繁体字)、日本語、韓国語すべてに対応しています。
UD新ゴ 繁体字・簡体字
日本最大のフォントメーカーであるモリサワが提供している多言語フォントの中でも、ユニバーサルデザインに対応したUD新ゴをベースに繁体字・簡体字にそれぞれ対応させたフォントで、2つのフォントを併用することで、中国語話者圏に広く対応することができます。
UDUD黎ミン 繁体字・簡体字
UD新ゴと同じくユニバーサルデザインに対応した明朝体のフォントであるUD黎ミンを繁体字・簡体字にそれぞれ対応させたフォントで、UD新ゴ 繁体字・簡体字版も含め、紙面のテイストに合わせて使用することで、日本語で制作した原稿のイメージを損ねない形で中国語版として展開することが可能です。
まとめ
日本語で制作された広告データを中国語に変換する上で必要なフォントと組版ルールについて把握しておくことで、スムーズに原稿制作が行えるのではないでしょうか。中国語での組版のルールについて、モリサワが資料を公開しておりますので詳しくはそちらをご確認ください。
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