近年、世の中には多様な情報が溢れかえっています。 その膨大な量の情報を整理し、できるだけ多くの人に必要な情報を正確に伝える手段の一つとして、「色」というものは重要な役割を担っています。

そこで注目したいのが「カラーユニバーサルデザイン」です。
色の見え方が一般と異なる人にも情報が正確に伝わるよう色使いに配慮したユニバーサルデザインのことで、「カラーバリアフリー」とも言われています。

今回はこの「カラーユニバーサルデザイン」と広告の意外な関係について説明したいと思います。

人によって違う「色の見え方」

一般的に人は赤・緑・青の3種類の光の感じる度合いによって様々な色を識別しています。しかし、遺伝子のタイプや目の疾患により光を感じる機能が異なり、違う色の見え方をする人が多く存在します。日本では男性の20人に1人、女性の500人に1人の割合で、珍しいことではありません。
代表的なタイプとしては「赤」と「緑」の判別が苦手なタイプがあります。赤の判別が苦手なタイプを「P型(1類)色覚」、緑の判別が苦手なタイプを「D型(2類)色覚」と分類されています。
同じデザインでも、一般的な人とP型・D型色覚の人では見え方がこんなに違います。

ですので、デザイン制作をするときは、色の見え方に配慮する必要があるのです。

拡大するシニア市場とカラーユニバーサルデザイン

65歳以上の高齢者人口は平成28年9月の推計で3461万人で総人口に占める割合は27.3%となっています。それに伴い高齢者市場は年々拡大しており、2025年には100兆円規模ににまで成長するというデータも出ています。
多くのシニア向け商材の広告がある中で、より効果的な広告を制作するにはどうすれば良いのでしょうか?ポイントになるのはズバリ「カラーユニバーサルデザイン」です。
高齢者の多くは加齢により目の機能が衰え、色の見え方が以前とは変わってしまいます。
そんな高齢者の色の見え方を考慮した配色を広告制作に生かすことによって、効果が変わってきます。

A案に比べると、カラーユニバーサルデザインに配慮した配色を行なったB案は、価格もキャッチコピーもわかりやすくなっています。
一般的に赤色などの暖色がメインカラーの広告の方が購買意欲が刺激され効果的であると考えられていますが、カラーユニバーサルデザインの観点ではB案のように、逆の寒色である濃青色をメインに配色したものでも、明度に差をつけることで却って高齢者にとっては読みやすく情報が伝わりやすくなるので、結果的に広告効果が高くなるという場合があります。

このように広告のメインターゲットによって色の使い方を工夫することによって、より効果の高い広告を制作することができるのです。

広告制作を依頼するときには是非、この「カラーユニバーサルデザイン」を意識してみてください。

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